水平線まで何マイル 感想

※読解力のなさに定評のある著者です。

勘違いが含まれてる感想と思って読んでください。

 

書き終わって振り返るととても長いです。

さわりは全体の感想まで読んでください。

個別の感想は暇な人だけでお願いします。時間の無駄です。

 

かつて存在したエロゲ会社ABHARの処女作で好評だった(らしい)作品です。

社名の由来は不明、アブハルって地名がヒットしますが関係性は不明です。

 

ちなみに当時(2010年)好評を博した失われた未来を求めてを制作した会社Trumpleはこの会社の転生先ともいえる関係でした。

社名の意味は「踏みつける、踏みにじる」……闇かな?

 

感想を書いてる自分はDMMでワンコインセールの時に購入しました。

セールの度にワンコインになるのでやりたい人は焦らず待ちが吉です。

ただ、起動ごとにオンライン認証しないといけないのでオフライン環境で気まぐれ起動は無理です。ここだけはマジでks。

 

作品の内容を軽く書くと、ハングライダー大会に出て鳥人間になろうとする中でヒロインたちと交流をしてCGを回収していく物語でした。

プレイし始め当初はころげてとコンセプト被るかなと思いましたが全くの杞憂でした。

こっちは飛行するまでに比重を置き、あっちは飛んで目的を達成する物語なので。

例えるなら松屋の牛丼豚汁変更と豚丼みたいな感じでしょうか。

 

そういえばころげて、通称この大空に翼を広げては最初大空翼って略称が使われてましたがいつの間にかかわいいころげてに代わってました。軽く今でも謎です。

 

全体的に

重箱の隅をつつけば誤字脱字が修正されてない。てにをはが微妙に気持ち悪い。

モザイクが濃い。画素数幾つって感じです。

 

ただ、愚痴は多くありますが物語が短めでさっぱり終われるのでエロゲ初心者向けな感じです。

ルートによってイベントが未消化とか出てきますがあまり気にしないでください。

 

攻略順は(幼馴染、会長、委員長から好きな順)、後輩。EXTRAで部長。

湖景は特殊過ぎてマストでラストは万人に異論はないと思います。

詳細は後述の後輩ルートで。

 

各ルートではるか遠い青い空、水平線のその先へと等、青春が続くような暗喩表現がありとても興味深かったです。

タイトルを越えてくる中身は多分初めてプレイしたので新鮮でした。

 

 

以下個別の感想です。

会長ルート

選択をふらふらしてると沙夜子ルートに入った。多分一番行き易いルート。

全編通して心の声に会話で答える会長は軽くホラー。

全ルート見たけどそれなりに心の声が分かりやすい(顔に出やすい)らしい。

…いや無理あるやろ。

 

初めてのシーンで最初は「せめて心の中でだけでも沙夜子さんと呼ばせてください」

と言ってたのに挿入間近になると会長呼びになるのはなぜなのか。そしてそのあとは特に心の機微なく戻ってる。

心の余裕がなくなった描写ととらえることもできるけどそれだと覚悟が弱く見える。

シーン後のピロートークからくりサーカスの白銀とフランシーヌの最期の会話を思い出して一人テンション高く読んでました。

 

 

幼馴染ルート

いろいろとシナリオに個人的に突っ込みが入れやすいルートでした。

昔の後輩(水面)に朋夏のトラウマの原因を聞くシーンで風紀委員長が最後に

「ありがとう、つらいことをごめんなさいね」

って言ってるけど相手はただの追っかけ記者だけど?????

雰囲気にながされて変なこと言ってて草。

他にも

 

 

沙夜子「トモちゃんは今回のことと過去のことが関係してるとは思ってなかったみたいだしー」

 

確かに、基本的にあいつは馬鹿だし。

 

沙夜子「それでも訓練の途中でさすがに気づいたんじゃないのかな」

湖景「確かにそう見えました」

教官「それが原因だと認めたくなかったのだろうな」

 

あの日、朋夏があんな無茶をしたのはそれが原因なんだろう。

 

 

ここ見方によっては空太がただ空気に流される「それアグリーだね」なろくろ回す系雰囲気部外者訳知り顔野郎に見える。

せめて「馬鹿だし。」のあとに「でも…」とかいれて欲しかった。原文だけだとマジでアホ。

 

また、前日になっても結果の最良を探っている意味がわからない。

話し合いをした日に発声ができなくても本人が下りると決断しない限りパイロットは替えないと決めてたしベストを出せないのは分かってたはずでは。

しかも飛行プランも妥協案である次善策を出して変更して練習してたのに、なぜ優勝を狙おうとするのか?

さらに計器を地上で確認し機体の状態を考えパイロットに伝えるという非合理極まりない方法を取ること前提で阿保なのかとよくわからなかった。

ならパイロット要らないじゃん。ラジコンでいいじゃん。

 

ここら辺は多分朋夏の頑張りが報われるのは当然(シナリオ的約束された結末)と山場を最大限に魅せたいが故の盛り上げ方(シュレディンガー的シナリオ)の両方を考えた結果の文章的事故だと思う。読んでて気持ち悪かった。

 

特大のツッコミは計器飛行を教官が本番前日の夜に主人公に教えたこと。

キャラブレまくりでもうだめ、あきれを通り越して虚無。

 

結論としてはこのルートではシナリオライター多分寝てた。

 

ただ教官がいいこと言ってた。

 

「いいか、平山。自分で限界を勝手に決めることだけはするな」

「『こんなことしかできない』。『このくらいならできる』。

 そんなものはピークを越した老人が考えることだ」

「今がちょうどいいなどとも思うな。今が最高であるとすらも思うな。

 そんなことは、お前の若さが決して赦さない」

 

この部分は本当に良かった。

若者に対してのエールとしては最高の部類に入る。

 

これが正規ルート、会長が裏ルートって感じ。

 

 

委員長ルート

ラスト準優勝で終わったので「これ会長が闇落ちするフラグや!」と思ってたけど闇堕ちもせず普通に会長職を主人公に渡して引退。個別ルートのあれは何だったのか…

 

ツッコミは以上で特に可もなく不可もなくなシナリオだった。

 

ミムラくんと上村が同一人物に思えるのにそこら辺のアンサーがもらえなかったのは不満。

 

 

後輩ルート

正しくエロゲシナリオって感じで感動しながら読んでた。

ヒロインが特殊状況、転も特殊、シーンは声優の本気と自分の昔から知ってるエロゲで

「あぁ!エロゲ!これぞシン・エロゲだ!」って喝采しながら読んでた。

当時としては数多ある凡例のひとつの踏襲かもしれないが、現在(2021年)読むとこの造りが懐かしくてダメ。中年エロゲーマー殺しだった。

ソシャゲに飽きた中年よこのルートを読め。心が生き返る。

 

そしてこのルート最後がとてもいい。

タイトルの水平線まで何マイル?は物理的距離を聞いてるジャストミートな質問ではもちろんないのだけど、

 

 

俺たちは声の限り叫び続ける。飛べと。あの水平線の彼方を目指して。

 

 

ここは先にも挙げた朋夏ルートの教官のセリフへのアンサー的に見える。

 

 

「あの空を越えて宇宙までいけたらーー星にも手が届くでしょうか」

 

空はどこまでも続いている。俺たちの歩みはこれからも続いていく。

願わくば、この小さな手をいつまでも握り締めていよう。切にそう思う。

 

 

特にこの二つの抜粋部分は水平線の先、作品を越えた先を暗示している中でも抜群にとてもよかった。

ライターによるキャラへの成長の願いなのか偶然なのかは分からないがとてもよきまる。

 

とりあえずこのルートがこの作品の根幹を担ってる感覚があった。

とても面白かった。

 

 

部長ルート

このルートも幼馴染ルートの裏っぽいとこがあった。

このルートに入るのはシナリオ的には特殊なのか、流れも独特でこれだけでFDのような感覚だった。

ラストよくわかんなかった。

 

全ルート終えてパイロットが髪を切る確率は60%と意外に高く、パッケからばっさりいってるの見て衝撃受けた。

なので綺麗な長髪を見ていたい人は幼馴染ルートだけして終わりましょう。