アステリズム感想

前作Sweet Robbin Girlの次作として開発されてた時にあの大地震が起きてしまい今作の内容を鑑みて一時開発中止していたブランド、Chuable softの最新作。

妹萌えが多い昨今、敢えての姉萌え作品を作りそれがうまく機能した作品だった。
中の人ボイスとキャラの外見もフィットしてたしこれはこれで一つの完成された形だと思った。
姉さんグッと来たよ姉さん。

プレイしてて感じたことは、
ただ、主人公の頭の悪さがちょっと気になった。
3章の話で1章で自分の気持ちに気付くのに一つの重要なファクターになった美々の名前を聞いてもピンと来ない、
他の話題で会話中に答えを教えてもらっているのにそれに中々気付かない、
似たような問題で毎度悩む等この歳でパンチドリンカーですかってくらいに真顔になることが多々あった。
また、こっちではああそういう事かと理解できてるのにゲームの中じゃその部分は謎で小事に分類され、後から重要だったんじゃんと見直されるというようなボタンの掛け違いとも感じられる物が多くストレスを感じた。
あとひらがなの多用が多くもう少し漢字が読みやすいと思う。
(こころよいやみごと等は小学校で習う常用漢字だからひらがなに敢えてする意味があるんだったらあれだけども特に無さそうだったので)

パンチドランカーですか?って思えるものは
例えば3章の音々さんを守る時に名月を現場に連れて行くかどうか悩んだ主人公のロジック

音々さんを守ろうと思ったら、
前提として俺自身の安全を確保する必要が
あるわけで……

なら、俺の隣に名月が一緒にいたとしても
致命的な危険はないのかもしれない。

・・・いやいやいや。
余震とか建物が劣化したことによる崩落、石垣の倒壊や火災とかあるかもしれないしなにより被災者が凄かったらしいって自分で認識してるのに「ま、いっか」とかないでしょう。
その前に自分の体の事を心配してるんだからもし自分が倒れて何かあったら名月が身を挺して守ってくれるってこと分かってるのに連れてくとかうん、やっぱ馬鹿だ。
書きながら余りの馬鹿さ加減に推敲するのも億劫になるレベル。
一番大切な人とか吹いてるのに現場がどういう状況になるか分からないのに余りの気迫に押されて連れてく?
それは相手を尊重してない軟派な人のすることで、主人公の行動原理から考えると外れてる。
このような不可解な思考があるから主人公を膝を詰めて話たい気分にさせられるので物語に集中できなかった。

女キャラクターは薄化粧を描写するためか唇に沿って赤い線が描かれているのが印象的だったと同時にそこだけリアルで不気味の谷とまではいかないけど似た様な違和感を感じた。

ストーリーで感じたことは、
九厘は結局なんなん?って話。
いやもうこれはすっごい消化不良過ぎて完了した今でもこれを思うと寝れない。
男嫌いになるほどのなにかがあったはずだし、3章での描写を考えると主人公出生の秘密を握ってるのが確定的に明らかなのにそこが明かされないとかちょとsYレにならんしょこれは?
まぁ、個別ではデレ過ぎずさっぱり過ぎずな微妙な距離感の取り方でこれは九厘らしいEDだと思った。

そして一番グッと来た台詞がこれ。

覚悟しろよ、つくも。
私をその気にさせたこと、後悔させてやるぞ

デレ・・・とまでは行かない、ツンデレとも違う悪戯心の延長線上にある恋心の表れみたいな台詞と演技にこの場面を見てた自分のニヤニヤしっぱなしだった。
中の人もシーン安定の倉田まりやだったのでシーンも楽しかった。

美々ルートの噛ませっぷりは泣いた。
個別ルートなのに姉さんの影響デカすぎてヒロインのはずなのに霞んでしまうレベル。

そしてこの物語は閉じた世界って印象。
ゲームのチャートで言うならC1からC4の間で紙の端と端を繋げて丸めたような中にあり博士だけが俯瞰視点を持ち得るみたいな・・・
そう。博士は神に等しい存在だったんだよ!とキバヤシみたいなことも思ってしまったり。
3章までだと救われない物語でエピローグもあっさりしてたから竜頭蛇尾だった。
始めたときはever17みたいな物語になるのかなと期待したけどそこまで発展しなかったので残念。

最後に、2章の竜造との勝負の後、予想していた通りに怪我した足が逆になっていた。
うん、漫画とかでもよくあるよね・・・